現在日本では、1844万頭の犬猫が飼育されていると言われています。一方、15歳未満の子どもの数は、1571万人。子どもよりも犬猫の人口の方が多い社会になっています。
少子高齢化が進む中、高齢者の数は増え続けています。核家族化が進んだことも相まって、犬猫の飼育困難に陥りやすいと考えられる、65歳以上の高齢者のみの世帯は4世帯に1世帯になり、今後も増え続けていく予測です。
高齢者がペットを飼育することは、精神的・肉体的な健康を増進する、いわゆる”アニマルセラピー”の効果が知られています。高齢者がペットを飼育することで、医療費の削減など、社会保障費を圧縮すると同時に、高齢者の消費を後押しし、経済的な効果も期待されます。
しかしながら、高齢者がペットを飼えば、必ず良い効果が得られるとは限りません。ペットを飼っている高齢者は友人の数が有意に少ないとする研究結果もあります。これは、ペットとの依存的な関係を築いてしまうことによる弊害と考えられています。健康的・自立的なペットとの関係を築くことが出来れていれば良い効果が望めるものの、そうでなければ、むしろ心身の健康を害する可能性が十分にあります。
そして、高齢者がペットを飼うことによる最大の弊害は、入院や死亡による高齢者の飼育困難・飼育放棄です。保健所へのインタビューでも、引き取りの総数は減っているものの、高齢者からの引き取りの割合は増えているという声を聞いています。
平成26年の名古屋市のデータでも、3割以上が、飼い主の死亡あるいは入院によるものでした。この傾向は今後もより一層顕著になっていくものと考えられます。
ペット後見互助会とものわは、高齢者がペットと暮らすことによるプラスの側面を最大限活かしつつ、飼育困難・飼育放棄、そして殺処分につながるマイナスの側面をカバーしていくことで、高齢者も安心してペットを飼育出来る環境を整え、人と動物が共に、心も身体も健康に暮らせる社会を目指して事業を行っています。
両者のバランスをとるには、様々な工夫が必要ですが、互助会の仕組みを使うことで、万が一に備え、犬猫たちが路頭に迷うことの内容に支援することが可能になります。飼い主さんも、もし飼えなくなったら…という、将来の不安を減らすことができます。ペット後見互助会の仕組みを社会に普及し、人と動物が共に、心も身体も健康に暮らせる社会を目指していきます。