犬猫にいくら遺産を遺せばいいの?

犬猫を飼育していくためには、お金がかかります。万が一飼えなくなった時に、どの程度のお金を用意しておけば良いのでしょうか?単純に飼育費をベースに考えてみます。

犬の飼育費に関するデータはいくつも出されていますが、概ね年間20万円~30万円程度であるとみられます。図は、アニコムパフェによる調べですが、平均で25万円程度となっています。フード代が年間6万円(月間5000円)、医療費が年間6万円、トリミングが3万円(2か月に1回利用して5000円)と、個別にイメージしてみるとだいたいそんなもんかなと思うところだと思います。プードルなど頻繁にトリミングが必要な犬種だともう少しトリミング代がかかるでしょう。持病を持っていれば、医療費は年間6万円ではすまないですね。医療費は予防だけでも2~3万円かかりますから、6万円なら安いほうというところでしょうか。フードも、プレミアムフードを使えば5000円は妥当ですね。中型犬以上だともっとかかるかもしれないですね。

年間25万円で計算すると、現在5歳の犬の場合、17歳まで生きるとして、残り12年です。25万円×12年=300万円とこれから300万円もかかるんですね。一気に支払うわけではないので、実感がわきませんが、犬を飼うというのは、意外とお金がかかります。猫でもこれの半分くらいはかかります。

遺産を遺せる人は、実は多い

300万円も遺せる人は少ないのでは?と思われるかもしれませんが、意外とそうでもありません。

こちらは、H28年度の家計調査貯蓄編のデータですが、70代の世帯の貯蓄残高は平均で2400万円となっています。2400万円の内訳は、有価証券、生命保険、預貯金などの金融資産であり、このほかに不動産を所有していることが少なくないわけです。

一方で、平均値は2400万円であるものの、中央値は1,567万円です。そして、300万円未満の方も15.1%存在します。

資産が少ない方は、ペットを飼っている割合は低くなると考えられますが、ゼロになるわけではありません。資産の少ない方がペットに対して十分な遺産を遺すことは難しいこともあるでしょう。

ただ、犬猫を飼えなくなってしまう事態に悩まれる時、資産の多少は関係ありません。資産を多く持っていても、きちんと備えておかなければ、犬猫が適切な飼育先にわたらず、適切に終生飼育されることもないかもしれません。きちんと備えておくことが、何より重要です。

ペット後見互助会とものわでは、応能負担の考え方を取り入れて運営しています。応能負担とは、負担できる能力に応じて、負担していただくということです。つまり、入会希望者の方には、100万円以上の遺贈を行う旨の遺言書を作成をお願いしていますが、遺言書をかくことは、資産の多少に関係なくできます。もしかしたら、その方は、最終的に100万円資産が遺らないかもしれませんが、それは仕方のないことで、払っていただける分だけいただくという形になります。一方で、100万円以上の遺贈ということで、余裕のある方には、100万円よりも多い額の遺贈をお願いしていくこととしています。

犬猫を大切にする気持ちは、資産がすべてではありません。もちろん飼育には費用が掛かりますから、すべてボランティアで行うこともできません。一定のご負担はお願いしながら、皆で支え合うことで、飼い主の皆さんと犬猫たちが、最期まで心も身体も健康に生活できる社会を作っていきたいと思います。