犬猫の飼育費として、遺産を第三者に遺贈し、犬猫の飼育をしてもらいたいと考えた時には、遺言書を作成する必要があります。遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の三種類がありますが、この中で自分で今からすぐにでも作成できるのは自筆証書遺言です。

自筆証書遺言は、自分で紙を用意し、紙に自筆で遺言をしたため、印鑑を押すことによって作成できます。自分で書いたとしても、正式な書式にのっとって書かれているものであれば法的に有効な文書となります。重要なポイントが、きちんとした書式でかかれているかどうかです。書式が正しくなければ、せっかく書いたものも法的に有効な文章とは認められなくなってしまいます。

自筆証書遺言で、犬猫の飼育を第三者に依頼する(負担付き遺贈)場合の、文例を紹介します。

負担付き遺贈文例

文例での登場人物
  • 遺贈者:奥田順之
  • 贈受者:NPO法人人と動物の共生センター
  • ペットの名前:さぶ(犬・MIX)&しん(犬・柴)
  • 遺言執行者:小島寛司
遺言書

1 私は、死亡時に有する預金債権のうち300万円をNPO法人 人と動物の共生センター(本店所在地:本店所在地:岐阜県岐阜市岩地2丁目4番3号)に遺贈する。

2 前項の遺贈は、まず下記預金から300万円に満つるまでの金額を遺贈するものとし、下記預金口座の私の死亡時の残高が300万円に満たない場合は、下記預金口座に加えてその他の私名義の預金の死亡時の残高の多いものから順に300万円に達するまでの金額を加算して遺贈するものとする。


●●銀行○○支店・普通預金・口座
口座番号△△△の預貯金

3  遺贈に対する負担として、NPO法人 人と動物の共生センターは、私が長年飼育してきた下記の動物(以下「本動物」という)の飼育が著しく困難となった場合は本動物を引き取り、大切に飼育する。


1.平成22年10月15日生まれ、種:犬、品種:雑種、名前:さぶ、体重13kg
2.平成22年10月15日生まれ、種:犬、品種:柴犬、名前:しん、体重9kg

4 私は、遺言執行者として下記の者を指定する。

住所 名古屋市○○○○○○
氏名 ○○○○法律事務所 弁護士 小島寛司

5 私は、前項の遺言執行者に対し、この遺言を執行するため、相続人らの同意を要することなく、単独で、この遺言に基づく預貯金等金融資産の名義変更、解約、払い戻し及び貸金庫の開閉、内容物の受領、解約その他この遺言を執行するために必要な一切の行為をする権限を授与する。

6 遺言執行者に対する報酬は、30万円(税別)とする。

7 付言事項

作成日:平成30年11月11日

住所:岐阜県岐阜市○○町2丁目4番3号

氏名:奥田順之 ㊞