ペット後見とは
ペット後見とは、飼い主が入院や死亡などにより、万が一ペットを飼えなくなる事態に備え、飼育費用、飼育場所、支援者をあらかじめコーディネートしておくことで、飼えなくなった場合にも、最後まで飼育の責任を果たすための取り組みの総称を指します。
ペット後見の具体的内容
ペット後見は、①飼育費を遺す契約、②飼育の受け皿(飼育する人と場所)の確保、③緊急時に対応できる見守り体制の構築の3つの要素から成り立っています。
①飼育費を遺す契約
飼育費を遺す契約については、以下のように様々な方法があります。
- 生前贈与
- 遺贈
- 民事信託
- 生命保険
- 生命保険信託
- 事前振込
②飼育の受け皿
飼育の受け皿には、様々な選択肢があります。受け皿としてのおおよその優先順位の順に記載すると以下のようになります。
- 親族
- 友人知人
- 普段から世話になっているペットサービス事業者
- 行きつけトリミングサロン
- かかりつけ動物病院
- 出身ブリーダー
- 出身保護団体 等
- 普段利用していないペットサービス事業者
- サロン
- 動物病院
- ブリーダー
- 保護団体 等
可能であれば、親族に引き取ってもらえるように交渉しましょう。友人知人で引き受け手があるかもしれません。周囲の人で難しい場合は、保護団体を含むペットサービス事業者にお願いすることも選択肢です。
③緊急時に対応できる見守り体制
①、②ができていても、飼い主が急に倒れたときに、自宅まで動物を保護しに行けなければ、動物たちの命を守る事はできません。いざという時の出動体制まで固めておかなくては、ペット後見は成立しません。
全国に広がるペット後見
近年、ペット後見に取り組む事業者が増えています。当サイトでは、ペット後見相談拠点として、全国で相談を受け付けている施設を紹介しています。
各地域の地域資源を活用した対応になること、地域により飼い主の皆さまの考え方も多少異なることから、各施設、ペット後見の進め方には多少の違いがありますが、それぞれのやり方で、ペット後見への対応を行っています。
ペット後見パンフレット
以下からペット後見のパンフレットデータがダウンロードできます。
【はじめての ペット後見安心ガイド -大切な家族(ペット)に安心を遺すために-】
高齢者とペットの共生の課題
現在、日本では一年間に4万頭を超す犬猫が保健所に持ち込まれています。中でも、超高齢社会を迎える中、高齢の飼い主さんが、急な入院や要介護になることや、突然死去されることで飼えなくなってしまうケースは社会問題となっています。
事実、保健所や愛護センターに収容される犬のうち、多くが飼い主が高齢者の場合によるものです。
行政ではない、動物保護団体の元にも、多くのレスキュー依頼があり、ボランティアで対応を行っている現状があります。
一方で、高齢者の飼い主の中には、「自分が飼えなくなった後の責任を持ちたい」と考えている人も少なくありません。しかし、肝心の「責任を持つ方法」が普及していないために、何も準備のないまま、飼えなくなる事態にまで至ってしまいます。
「最後まで責任をもちたい」という飼い主の切実な思いに応えるために、ペット後見の普及が不可欠になっています。
高齢者とペットの共生問題について、さらに詳しく知りたい方はこちらを御覧ください。